平成の30年間で、国内の喫茶店は半減した。だが、コーヒーの消費量は拡大した。なぜコーヒー好きが増えているのに、喫茶店は減ってしまったのか。フードビジネスコンサルタントの永嶋万州彦氏は「消費者の舌が肥えた分、原材料や抽出技術にこだわった店舗だけが生き残っている」と説明する――。

喫茶店数は半減、コーヒー輸入量は1.4倍に

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平成の30年間で、「喫茶店」(カフェを含む)の店舗数は半減した。総務省統計を基にした全日本コーヒー協会のデータでは、以下となっている。

・「12万6260店」 1991(平成3)年
・「6万7198店」 2016(平成28)年

過去もっとも喫茶店が多かったのは、1981(昭和56)年の「15万4630店」。平成時代に店は減り続けた。

一方、コーヒーの消費量は拡大した。こちらは複数のデータがあるが、比較しやすいコーヒー輸入量「生豆換算」で見ると、約30年で1.4倍、約13万4000トンも増えている。

・「32万4841トン」 1990(平成2)年
・「45万8961トン」 2017(平成29)年

つまり、コーヒーの輸入量・消費量は増えたが、喫茶店数は減ったのだ。これは「コーヒーを飲む場所」が増えた一面が大きい。かつては珍しかった「コンビニコーヒー」が拡大し続け、レストランも業態・価格帯が多様化してコーヒーを置く。全国各地のカラオケボックスや自販機でもコーヒーは必需品だ。今やどこでも飲める飲み物となった。

今後のコーヒー業界・カフェ業界はどうなるのか。現在を踏まえつつ、過去の視点でも考えたい。指南してくれるのは業界歴50年、元ドトールコーヒー常務でフードビジネスコンサルタントの永嶋万州彦氏だ。一問一答の形で紹介しよう。