「顧客満足度」の調査で、スターバックスがドトールコーヒーに負けたことが話題を呼んでから1年。最新の調査ではさらにランクが下がり“圏外”となった。なぜ、スタバへの満足度は下落したのか。『日本カフェ興亡記』や『カフェと日本人』などの著書がある経済ジャーナリストの高井尚之氏が分析する――。

なぜ「圏外」にまで下落したのか

この半年、筆者のもとに新聞や雑誌から同じテーマでの解説依頼が相次いだ。「なぜ、スターバックスがドトールコーヒーショップに顧客満足度で負けたのか」というテーマだ。

ここでいう「顧客満足度」とは、日本生産性本部・サービス産業生産性協議会が行っている「JCSI(日本版顧客満足度指数:Japanese Customer Satisfaction Index)」の指標である。この「カフェ部門」で、直近2回でドトールがスタバを抑えてトップになったことが話題になった。

そして今年6月20日に発表された2017年度の調査結果は、さらに意外なものとなった。「顧客満足」では、ドトールが3年連続の1位。2位はミスタードーナツ、3位はコメダ珈琲店、4位はカフェ・ベローチェで、前年4位だったスタバはさらに順位を落とし“圏外”に去ったのだ。

あらかじめ伝えておくが、スタバは、「顧客期待」(ブランドへの期待)、「知覚品質」(品質はどうか)、「推奨意向」(他者にすすめたいか)という指標では1位となっている。6項目中3項目がトップなので、スタバへの期待値が低下したとはいえない。圏外となったのは「顧客満足」である。

なぜ、お客はスタバに満足しなくなったのか。男性よりも変化に敏感な、女性の声を中心に紹介しながら解説したい。

「サービス産業生産性協議会 2017年度第1回 JCSI調査結果」より引用