TOEICの点数を上げるには、どんな学習が有効なのか。今回、6つのレベル別に「最短ルート」を識者に聞いた。第5回は「700点台」の学び方について――。
※本稿は、「プレジデント」(2017年4月17日号)の掲載記事を再編集したものです。
弱点を見つけて、克服する
「TOEICはいつも平均点が500点台後半ですが、リピーターで非常に高い点数を出す人が多いので、彼らが常に平均点を引き上げているといえます。ということは、500点以下の人も多い。そう考えると、700点台の人は上のレベルと考えていい。基本的なことは十分できています。ここからは自分の弱点を見つけ、克服していく作業が必要でしょう」
さまざまなスクールで指導にあたる森田鉄也氏の皮膚感覚として、このレベルは、「英語力はあるが、TOEIC力、つまりテスト力がない人」「テスト力はあるが、英語力がない人」が混在しているという。
「会社で英語を使っていたり、元から英語がよくできている層もいれば、反対に、テスト対策は熱心にやってきてTOEICのことはよく知っているけど、使いこなす英語力はない人たちも。800点を目指すなら、英語力もテスト力も両方底上げが必要です」
だからこそ、自身の得手・不得手を明確に見極める必要があるわけだ。自分は、読んだり聞いたりすればなんとなく英語はわかるが、文法の知識が抜け落ちていないか。訳読は得意だが、ネーティブがしゃべるリスニングは聞き取れないことが多いか。改めて検証したい。
「そのためには、スコアシートに記載される『アビリティーズ・メジャード』をよく見て、不足しているスキルを見つけることが第一。文法と語彙が低いのなら、スコアを上げやすい分野なのでチャンスです。特に品詞の問題は難易度が低いので、補強するにはうってつけでしょう。逆に、文法と語彙でしっかり点が取れていて、トータルのスコアが低い人は、いわゆる受験英語は身についていますが、根本的な英語力を上げていく必要があります」