TOEICの点数を上げるには、どんな学習が有効なのか。今回、6つのレベル別に「最短ルート」を識者に聞いた。第1回は「300点台」の学び方について――。

※本稿は、「プレジデント」(2017年4月17日号)の掲載記事を再編集したものです。

中学英語をやり直す

ひとくちにTOEIC300点台といっても、一体どれほどの実力なのか。まずは現状把握の意味で、そのレベルを確認してみよう。

「TOEIC Listening & Reading Test 公式データ・資料」(国際ビジネスコミュニケーション協会 TOEIC公式サイト)2017年1月のデータより作成。

「私の知人が、無条件にすべて『A』をマークしたら何点取れるのか実験したところ、180点という結果が得られました。つまり、とりあえず何でもいいからマークシートを塗っておけば、そのくらいは取れるわけです。300点というのは単純に、そこにもう120点分稼いだレベル、ということになります」

神崎正哉氏によれば、300点台もしくはそれ以下の人は、TOEIC云々よりもまず、中学英語を徹底すべき段階だという。

「確かに、公式問題集でTOEICの問題を解くコツを身につけるのは有意義でしょう。しかし、300点台、もしくはそれ以下の人にとっては、そもそも解ける問題が少ないため、いくら解いても実力アップには繋がりません。それよりも中学で習う文法や単語さえ完璧にマスターすれば、400点はすぐに取れるようになるはず。公式問題集やTOEIC用の教材よりもまず、単語や文法などの基本からやり直すのが、スコアアップへの近道と言えるでしょう」

TOEICで得点をアップさせようと意気込むと、むやみに公式問題集に手を出してしまいがちだが、レベルに見合った教材選びが必要ということだ。つい軽視してしまいがちな中学英語だが、英語力の根本を支える基礎として、実は非常に重要なのだという。