「高年収ビンボー」と「低年収リッチ」はどこが違うのか。雑誌「プレジデント」(2016年11月14日号)では、それぞれにアンケート調査を実施。そのなかで「子どもへの教育費のかけ方」について聞き、結果を3人の専門家に分析してもらった。違いをわける点は何だったのか――。
教育費と夫婦仲の意外な関係とは
子どもにお金をかけすぎて貧しい老後を迎えがちなのは、「夫婦仲が悪い人」と家計に詳しいファイナンシャルプランナーの畠中雅子氏。
一見、意外な要素に思えるが、「夫婦仲が悪いと、妻は子どもの教育にありったけの力を注ぎ、際限なくお金をかけてしまうことがある。夫が注意すると余計むきになってお金をかけるという悪循環に陥る例も少なくない」(畠中氏)という。
それ以外にも、「年収が低い人が、持ち家をあきらめる代わりに教育にお金をかけるという例もある」(同)という。いずれにしても、何かの代償として教育費をかけるのは、子どものためにもならないだろう。
元大手銀行支店長でコンサルタントの菅井敏之氏も、本末転倒のような教育費のかけ方を問題視する。
「世田谷や目黒のタワーマンションに暮らし、アッパークラス気取りの世帯では、子どもは小学校から私立にいくのが当たり前という感覚。お稽古事も多い。見栄でお金をかけていないか、自問すべき」(菅井氏)
老後資金と教育資金は、互いに綱引きしあう関係だ。片方を増やせばもう片方が減る。では、豊かな老後を迎えられる人は?
「大学の費用が一番大事だということがわかっており、計画的に準備ができる人」(畠中氏)