奨学金を利用する手もあるが、「貸与型の利用は極力避けたい。子どもが借金を抱えて人生のスタートを切るのでは大変。収入が確保できている状態で借りるのとは大きな違い」(ファイナンシャルプランナーの長崎寛人氏)。

最近は子どもの引きこもりで、貧しい老後どころか親子共倒れの危険すらある。「働けない子どものお金を考える会」を主宰する畠中氏は、そうなる原因が親とは限らないと前置きしたうえで「心配でも口出ししたり、手を出したりするのを我慢することで、子どもが本当にやりたいことを見つけられる。やりたいことだからがんばれて、自立心が鍛えられる」と話す。教育の真の目的である「子の自立」のために、親が何をどこに注力すべきかが問われる。

畠中雅子(はたなか・まさこ)
ファイナンシャルプランナー
2000年、駒澤大学大学院経済学研究科博士後期課程単位取得退学。大学時代よりフリーライター、1992年ファイナンシャルプランナー。各メディアに連載多数。セミナー、講演、個人相談など。著書に『サヨナラ お金の不安』『ひきこもりのライフプラン――「親亡き後」をどうするか』(共著)ほか。
 

菅井敏之(すがい・としゆき)
元メガバンク支店長

コンサルタント。1960年生まれ。83年学習院大学卒業、三井銀行(現・三井住友銀行)入行。東京・横浜で支店長。48歳で退職、起業。アパート経営のほか都内で喫茶店を営む。資産形成や住宅・保険の選び方などで講演・セミナー多数。著著に『金の卵を産むニワトリを持ちなさい』『お金が貯まるのは、どっち!?』ほか。

 

長崎寛人(ながさき・ひろと)
ファイナンシャルプランナー
1963年、長野県生まれ。NPO法人日本FP(ファイナンシャルプランナー)協会会員、CFP認定。国内銀行、外資系損害保険会社を経て保険代理店を経営。その後、介護スタッフとして障がい者施設や高齢者介護施設などに勤務、介護に特化したFPに。著書に『脱・老後破産マニュアル』。
 
(撮影=石橋素幸、加藤ゆき、永井 浩 写真=iStock.com)
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