認知的不協和の消費行動「言い訳消費」

リンガーハットは天候不順による国産野菜の相場高等や人件費・物流費の増加で、2018年8月10日から約半数の品目を10~20円程度、値上げした。リンガーハットが公表した9月の業績をみると、純既存店売上高が前年同月比3.5%増と好調である。内訳は、客数が0.7%増、客単価が2.8%増である。客単価の上昇は値上げによる効果であるが、客数が増加しているのは驚きである。

値上げはしたものの、リンガーハットはこれまでどおり「麺増量無料」を継続している。飲食店選びで「ボリューム」を重視する割合が50%を越えるのはリンガーハットだけである。リンガーハットは「ヘルシーなメニューをがっつり食べたい」という女性客の「言い訳消費」をうまくつかんでいるようだ。

小倉高宏(こくら・たかひろ)
日本生産性本部 主任経営コンサルタント
コープこうべに入社1年目で営業所トップ成績、2年目で全営業所およそ1000人中トップ成績を誇ったカリスマ営業マン。2008年から現職。小売・サービス業の現場に明るく、市場分析や経営指導、従業員育成を行っている。関西大学社会学部卒、関西学院大学大学院経営戦略研究科修了(経営管理修士:MBA)。著書に『経営コンサルティング・ノウハウ 5 マーケティング』(中央経済社)。
(写真=iStock.com)
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