炭水化物大盛りの矛盾

長崎ちゃんぽんの「麺普通」は683kcalで、「麺2倍」は1032kcalである。野菜が摂取できて「ヘルシー」で、国産材料なので「安心」だと自分に言いきかせつつ、炭水化物の大盛りを注文し、大台の1000カロリーを摂取する。女性たちがそんな矛盾した行動をとっていることがうかがい知れる。

このように、自分が思い描く理想・信条と実際の行動のジレンマを解消しようとする心理プロセスを「認知的不協和」という。自分に都合の良い理由・理屈をもうけて、矛盾を解決しようとするわけだ。そうした消費行動は「言い訳消費」や「免罪符マーケティング」とも呼ばれる。

「欲しいという感情」と「やめたほうが良いという理性」の間で葛藤が生じたときに、欲しいという感情に対する理屈や大義名分を掲げ、自分に行動を促す。たとえば「脂肪吸収をおさえるという黒ウーロン茶が、ジムではなく、焼肉屋で売れる」「自宅では安価な発泡酒を飲むが、出張帰りの新幹線ではプレミアムビールを購入する」というのが、典型的な言い訳消費である。

「ヘルシーだから」リンガーハット

言い訳消費には「ご褒美消費」「悲劇のヒロイン消費」「今しか消費」「太鼓判消費」などがある。「ご褒美消費」は成果をあげた自分にご褒美を出すことで、「今日の私は頑張った!」という自分への労い消費である。「悲劇のヒロイン消費」は、つらい目にあった自分を励ますために「明日から頑張るもん!」と贅沢をする慰め消費。「今しか消費」は「限定品だから」「今しか買えないのよ」「私ってラッキー」と、自分を説得する消費だ。

「太鼓判消費」は評価の確からしさによって、自分の行動を正当化させる消費だ。「そこまで言うなら消費」とも呼ばれる。太鼓判消費には、「○○さんも絶賛」という「第三者コメント消費」や、「従来品よりカロリー半分」「レタス1個分の食物繊維」といった「ヘルシーだから消費」がある。リンガーハットの女性利用者がしているのは、まさにこの「ヘルシーだから消費」である。