家賃はもったいない。一人暮らしで毎月10万円の家賃を払っている場合、全額を住宅ローンで借りれば、月の返済額は7.1万円で済む。家賃なら2年で240万円を失うだけだが、持ち家ならローン返済にあてられる。ただし「買っていいマンション」には7つの条件がある。その条件とは――。
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独身が家を買う実態と理由

家賃はもったいない。10万円の家賃を2年間支払ったら、240万円の現金を確実に失う。もし家賃10万円のマンションを買うなら、価格は2500万円程だ。全額住宅ローンを借りるとすると、月の返済額は7.1万円で済む。これだけみても買ったほうがいい。

実際、1年間に約8600人の首都圏の独身者が持ち家を取得している。購入者の6割が女性である。私は「住まいサーフィン」というサイトで購入者支援をしている。サイトで「自宅購入が資産形成につながったか?」というアンケートをしたところ、86%がYESと回答していた。これが実態だ。

独身時代に家を買う積極的な理由はたくさんある。

(1)定年時の単身率が未婚や離婚で合計約5割と高いこと
(2)90歳を寿命にすると賃貸費用は持ち家の1.5倍はかかること
(3)住宅ローンは定期収入が減る65歳までに返済しないと厳しいこと
(4)定年後は賃貸の審査が厳しく入居しにくいこと

などだ。独身でもマンションは買ったほうがいいのだ。

(1)について説明を加えておこう。2035年時点で全国の生涯未婚率は男性が29.0%、女性は19.2%だ。(国立社会保障・人口問題研究所)。都市部の未婚率は全国より高い分、東京都区部では男33%、女28%に達するものと筆者は推計している。たとえ結婚しても離婚する確率も高く、それを含めると、単身率は50%ほどになる。「2人に1人が老後を単身で迎える」ということだ。

居住地と性別で老後単身率は大きく変わる。たとえば「渋谷区に住む現在32歳の女性」という属性から老後単身率を割り出すことができる。その算定ツールは公開しているので、気になる方は「家活 おひとり」で検索すれば、あなたの老後単身率は10秒で判明する。