接客のうまい人は、どんな「話し方」をしているのか。今回、業界を代表する5社から5人の達人を推薦してもらい、それぞれのトーク術について聞いた。第5回はJALスカイ 国際部 国際パッセンジャーサービス担当の永見愛里さんだ――。(第5回、全5回)

JALグランドスタッフ5200人の「頂点」に立った女性の仕事

国内外からの大勢の旅行者で連日賑わう羽田空港。チェックインカウンターや搭乗口、手荷物返却エリアなどで利用客の対応や案内をするのが、グランドスタッフと呼ばれる職員だ。

JALスカイ 国際部 国際パッセンジャーサービス担当 永見愛里さん

国際線ターミナルに勤務する永見愛里さんは、入社3年目ながら、日本航空(JAL)のグランドスタッフが接客スキルを競う「空港サービスのプロフェッショナルコンテスト」の国内部門で優勝した実力の持ち主。国内外5200名に上るJALのグランドスタッフの頂点だ。

「まさか自分が優勝できるとは思いませんでしたから、この結果には驚きました。ただ、私は普段から『聞き役に徹する』ことを意識しているので、コンテストでもその点を評価していただいたのかもしれません」

本人は控えめに話すが、永見さんが接客の現場で実践している“聞く”のレベルは相当に高い。

「相手の話に耳を傾けながら、声のトーンや話すスピード、表情などを観察して、その方に合った対応をします。時間を気にして急いでいるご様子なら、こちらも必要な情報のみを簡潔かつスピーディーにお伝えしますし、『今日の旅行が楽しみでね』などと世間話を交えてのんびりと話しかけてくださったときは、こちらも会話のペースをゆっくりにしてお話しさせていただきます」