伝え方が悪いと「時間」と「品質」を失う
どんな職種、業界でも、ひとりで完結する仕事はほとんどありません。人と人とが関わり、チームや組織をまたいで仕事が進みます。
そして、その際には必ずコミュニケーションが発生します。
ごくごく簡単な仕事だったり、相手とツーカーの関係だったりする場合には「あ・うんの呼吸」で「あれやっといて」というレベルのコミュニケーションでも問題は起こりません。しかし、多くの仕事ではそうはいきません。
・関係部署、関係者が多い
・プロジェクト期間が長い
・仕事内容が、新規。あるいは複雑である
特に、このような場合には、より一層コミュニケーションの質が仕事の成果を左右する重要な要素になります。
コミュニケーションミスが起きた場合、私たちが失うものが2つあります。
それは、「時間」と「品質」です。
例えば、クライアントに提出する資料の作成を後輩に依頼した場合に、自分が期待しているレベルよりも低いものが上がってきたら、それは「品質」を失ったことになります。
そしてこの資料を「もう一度作り直すように」と指示すると、今度はやり直しをするための「時間」を失うことになります。
さらに、もう一度資料ができあがったとしても、またしても望んだレベルに達していなければ、「時間」に加えて、やはり「品質」を失うことになります。
コミュニケーションミスの責任は「発信者」にある
相手に指示内容を「伝えた」からといって、それだけで自分が期待した成果を得られることはありません。
伝えたい内容が相手に正確に「伝わる」ことで、初めて結果が出ます。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、仕事の現場では、これを意識できていない人がかなりいます。
よく見られるのが、「資料作成の指示をしたのに、後輩が全然わかっていない」「メールで連絡したのに、全然理解していない」などと愚痴を言って、コミュニケーションミスの責任を「受け手」のほうに転嫁するケースです。
でも、悪いのは本当に受け手でしょうか?
指示が曖昧だったり、わかりにくかったりしていませんか?
メールの指示が長すぎて、読みにくいものになっていませんか?
説明会の資料が数十ページにもわたり、とても理解できかねる分量になっていたりしませんか?