安倍政権は2018年6月発表の「経済財政運営と改革の基本方針2018」(骨太の方針)原案に、外国人労働者の受け入れ拡大策を盛り込んだ。現状の在留資格では、一部の例外を除き外国人の単純労働は認められておらず、「高度専門職」などに限定される。そこで、2019年4月に設ける新たな在留資格では単純労働も可能とし、25年までに50万人超の就業をめざす。ニッセイ基礎研究所の鈴木智也研究員は「人手不足が背景にあり、少子高齢化でさらに深刻化するだけに、その対策に一歩踏み込んだ点は評価できる」という。対象は特に人手が足りない農業、建設、宿泊、介護、造船の5分野に限定し、技能試験と日本語試験に合格すれば、最長5年の在留資格が得られる。人手不足を解消できるので国内の企業には朗報だが、「労働需給の緩みにつながると、労働者の賃金上昇が抑制される恐れもある」(鈴木氏)。

人手が足りない(栃木県内の病院で働くフィリピン人看護助手)。(時事通信フォト=写真)

また、安倍政権は移民政策とは異なると強調し、定住や家族帯同を認めない方針だが、それでも治安悪化を懸念する声が多く、在留管理体制の強化が追加された。ただ、5段階評価の日本語能力試験で下から2番目の水準で合格となるため、「上手くコミュニケーションがとれず、日本社会の中で孤立してしまう外国人が増える可能性がある」(同)のは気掛かりだ。