セクハラやパワハラといったハラスメント(嫌がらせ行為)に備える保険が登場し、密かに人気を博している。例えば、MS&ADインシュアランスグループホールディングス「雇用慣行賠償責任補償特約」の2017年度契約件数は2年前の2.5倍以上に拡大。厚生労働省の調査によれば、「いじめ・嫌がらせ」を理由とする民事上の個別労働紛争は17年度に7万2000件を突破、8年前の2倍超に達した。

セクハラ告発が広がる?(新宿駅前の抗議デモ、4月)。(AFLO=写真)

こうした保険は、個人がハラスメント被害に遭った場合に弁護士費用を補償するタイプと、企業が加害者として訴えられた場合に賠償金や争訟費用を補償するタイプに大別できる。

後者は、特に中小企業でニーズが高まっている。ハラスメント問題に詳しい好川久治弁護士は「多くの大手企業は内部告発窓口を設置し、従業員から訴えがあると専門部署が速やかに対応しますが、中小企業はそこまで手が回らないのが実情」と指摘する。

一方、前者の個人向けは月額1000~1700円程度の保険料で「訴訟まで起こした場合で30万~50万円程度」(好川弁護士)という弁護士費用の一部が保険金として支払われる。

「なお、訴訟では50万~100万円のパワハラやセクハラの慰謝料のほかに、解雇に伴う賠償金(慰謝料や将来の逸失利益)、未払い賃金などを請求することが多い」(同)。

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(写真=AFLO)