経営破綻したリーマン・ブラザーズとは対照的に、瀬戸際で踏みとどまっている世界保険大手の米AIG。巨額の公的資金投入を受けながら、幹部社員へ高額のボーナスを支払うなど何かと話題を提供しているが、そのルーツは意外にも中国。AIG傘下の損保会社、AIUの前身が1919年に上海で事業を開始したのがグループの始まりだ。

日本への進出は46年と早く、4年後の50年には東京都心におよそ1200坪の土地を購入、自社ビルを完成させたのは74年のこと。行政当局の権限が強く、いわゆる護送船団方式がまかり通っていた時代から、行政や日本企業の顔を立てながら実を取るというしたたかさで、国内でも有数の地位を確保してきた。

(ライヴ・アート=図版作成)