若い頃に戻ってやり直したい……。そんな後悔をしないために、どんな準備が必要か。「プレジデント」(2018年1月1日号)では、60歳以上の男性120人に、健康や家計など6つのジャンルの「後悔」についてアンケート調査。その結果を識者に考察してもらった。第3回は「生きがい」について――。

老後は退屈な「余生」ではない豊かな「本生」である

70歳になって同年代の人たちを見ると、昔、仕事に振り回されていた人ほどいま孤独であることに気づかされます。人は本来何のために生まれてきたのか。それは、自分のDNAを残すということにつながる“子孫繁栄”。その延長線上で、家族の中で人生を楽しむことが理想のあり方です。それなのに、仕事を天職のように崇めて、家庭を顧みずに働く人のなんと多いことか。

私は退職後、妻と2人で世界各地のクルーズに十数回行きました。船内で日本人の夫婦のカップルはまず見かけなかった。家庭を顧みないと、結局、妻に相手にされないからなのです。

日本人は老後のことを「余生」と言いますが、私に言わせれば老後こそが本当の人生という意味の「本生」。寂しい本生を迎えたくなければ、普段から家族とのコミュニケーションをとるべきです。もちろん老後に妻とクルーズを楽しむにはお金がかかりますから、仕事で結果を出す必要もあります。仕事にデッドラインをつけて自分を追い込み、短時間で片づける。これを習慣づけて40代のうちに結果を出すことが、豊かな「本生」につながるのです。

▼40代に戻れるなら、何を一番大切にしたいか?
●限られた少ない時間を極限まで家族に使ったほうがいい(千葉県)
●同窓会に出席するなど旧友との友情を深めておけばよかった(埼玉県)
●リタイアしてからやりたいことを探すのは難しい。40代で趣味を身につけておくとよい(福島県)
●金もヒマも機会もあるのに、体力や根気や視力がハードルとなって思うようにいかない。多少、時間的な無理をしても元気なうちでないとできないことがあることを認識すべき(東京都)
●子どもともっと遊んでおけばよかった(兵庫県)

調査概要●「60歳以上の男性120名の後悔」はインターネット調査によって、一般男性より回答を得た。調査日は2017年11月16~17日。「識者の後悔&アドバイス」は第一線で活躍するベテランの専門家50人に依頼、10人より回答を得た。(調査協力=NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション)

吉越浩一郎
吉越事務所代表
1992年にトリンプ・インターナショナル・ジャパンの社長に就任。同社を19期連続増収増益に導く。
 
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(構成=村上 敬、山本菜々子)