しかし、2012年10月に雑誌「The American Journal of Clinical Nutrition」で、ハーバード大学関連病院の研究チームが、“ダイエットソーダが血液がん(リンパ腫や白血病)のリスクを増大させる可能性がある”という論文を掲載しました。

また、2014年9月に英科学雑誌「Nature」に、イスラエル・ワイツマン科学研究所(Weizmann Institute of Science)のエラン・エリナフ(Eran Elinav)氏とエラン・セガル(Eran Segal)氏が率いる研究チームが、健康的とされる人工甘味料が、実際には糖尿病のリスクを高めている可能性があるとする研究論文が発表されています。

ガム編:キシリトールガム vs. ノータイムガム(ロッテ) 
キシリトールガム(左)、ノータイムガム(右)

食べていいのは「ノータイムガム」です。

虫歯予防やエチケットとして人気のガムですが、実はガムには人工甘味料が使われています。「ガムは虫歯になる」といったイメージから、アスパルテームやアセスルファムKといった食品添加物が使われるようになりました。

「ノータイムガム」は、ガムにしては珍しくそのどちらも使用せず、「キシリトール」だけを使用しています。キシリトールは虫歯を防ぐ甘味料とされており、もともとはイチゴやプラムに含まれる甘味成分なので、安全性には問題ありません。

発泡酒編:淡麗グリーンラベル vs. 淡麗プラチナダブル(キリンビール)
淡麗グリーンラベル(左)、淡麗プラチナダブル(右)

飲んでいいのは「淡麗グリーンラベル」です。同じメーカーの製品ですが、「淡麗プラチナダブル」の方には人工甘味料のアセスルファムKが使われています。

『40代から食べるなら、どっち!?』渡辺雄二著・サンクチュアリ出版

最近アルコール飲料では「糖質オフ」や「糖質ゼロ」などがうたい文句になることが多いですが、糖質とは、食物繊維を除いた炭水化物のことで、体内で消化・吸収されてエネルギーとなるため人間には必要不可欠なものです。ただ、過剰に摂取しすぎると高血糖の原因となり、脂肪として蓄積されて肥満を引き起こすので、忌み嫌われるようになりました。「淡麗グリーンラベル」は糖質を減らしている上に、人工甘味料を使用していないので、選ぶならこちらです。

このように、ある程度ポイントを絞るだけで、選択の仕方が変わってきます。これからもこの先も健康でいるために、単に「おいしいから」「人気商品だから」だけではなく、きちんと自分の身体と相談し選ぶ習慣を身につけ、快適なミドルライフをお過ごしください。

渡辺雄二(わたなべ・ゆうじ)
科学ジャーナリスト。1954年生まれ。栃木県出身。千葉大学工学部合成化学科卒業。消費生活問題紙の記者を経て、1982年にフリーの科学ジャーナリストとなる。食品・環境・医療・バイオテクノロジーなどの諸問題を消費者の視点で提起し続け、雑誌や新聞に精力的に執筆し、現在にいたる。著者の『食べるなら、どっち!?』『使うなら、どっち!?』『40代から食べるなら、どっち!?』は、シリーズ累計27万部のベストセラー。
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