優れた相談ほど、相手は意見を述べやすい

「連絡」は仕事を進めるために関係者に向けて行う情報共有活動です。連絡では誰に伝えるべきか、どの程度伝えるべきかというプロジェクトマネジメント的なセンスが求められます。また、連絡の場合、相手が複数になることが多いため、CCメールなど一斉同報が中心になりますが、賢い部下は、内容に応じて個別のメールを入れたり、直接会って話したりするなどのフォローをします。

「相談」は問題解決のため他者に意見や判断を求めること。優れた相談とは相手が意見を述べやすい、判断しやすいものです。そのためには、挙がった問題に対し、解決案を提示することが有効です。解決策が複数あって選択可能ならば、さらに優れた相談と言えます。

例えば、未解決の顧客クレームに対し、解決策として「一部費用の値引き」「オプションの無償提供」という複数の選択肢を提示すれば、上司は判断しやすくなります。単に「どうしましょう」と聞くだけでは、上司はゼロから解決策を考えなくてはなりません。この差は大きいもの。複数の選択肢があれば、上司の判断も早くなり、相談に要する時間が短縮でき一挙両得です。

▼大事なのはタイミングと簡潔さ。「現状・見通し・次の一手」が決め手に

濱田秀彦
ヒューマンテック代表取締役。マネジメント、コミュニケーション講師。住宅リフォーム会社、大手人材開発会社を経て、1996年に独立。著書に『上司の言い分 部下の言い分』など。
 
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