あなたが仕事でミスをしたり、取引先とトラブルを起こしたとき、何よりも重要となるのが「上司への報告」だ。いつ、どうやって、どこまで知らせるべきか、コツを伝授しよう。
いわゆる報連相、報告・連絡・相談を上手に行うことは、ビジネスの現場においてとても大切なことです。
とりわけ報告は、その巧拙によって上司の評価が違ってきます。最近の傾向として、上司は報告を強く求めるようになっています。携帯電話とメールが普及したため、部下が先方とどんなやりとり、商談をしているのか、上司にはわかりにくくなっているからです。しかし、上司が求めるスピードで、レベルの高い報告ができる部下は少数派です。
そもそも報告には、基本的な考え方があります。仕事の発注者に対し、進捗状況や結果を伝える“情報提供サービス”だということです。サービスである以上、相手の希望や好みに合わせるべきでしょう。
なにより重要なのは、大失敗してしまったときの報告です。社員なら誰でも、自分のミスを直属の上司に伝えるのは嫌なもの。それをためらっていては、善後策を打ち出すことができず、傷口はさらに広がるかもしれません。
そこで、仕事でミスやトラブルを起こしたときの報告の仕方ですが、タイミングは一刻も早いほうがいい。経営者や管理職は、常に“バッドニュースファースト”を求めます。時間がたってしまうと、「なぜもっと早く報告しなかったのか!」と怒りの火に油を注ぐ結果になってしまいます。上司が席にいれば間髪を入れずに、どんなに遅くとも半日以内には何らかの方法で伝えてください。
失敗の報告では、次のことを心得てください。まず、言い訳は一切不要。事実経過を単刀直入に伝えるのです。そして自分なりの始末のつけ方、すなわち今後の対策として、上司が選択可能な複数の解決案を用意することです。
では、具体的な現場を想定して説明しましょう。部品卸会社に勤める若手社員A君は、得意先のT物産から業務用エアコンの部品交換の見積もり依頼を受けました。ところが、慌てていたためか、自分が作成した見積書ではなく、メーカーから来た原価見積書をそのまま添付ファイルで送ってしまったのです。