アメリカの心理学者デビッド・メリルとロジャー・リードが提唱した「ソーシャルスタイル理論」という人の分類法があります。図のように、エクスプレッシブ(表出型)、ドライバー(推進型)、エミアブル(友好型)、アナリティカル(分析型)の4タイプに分けるものです。

上司も4タイプに分かれますから、それによって報告の仕方も工夫しなければいけません。直属の上司がどのタイプかは、普段の言動を見ていれば、おおよそ.めると思います。指示の出し方や会議での発言には、タイプの違いが表れやすいものです。

まず、上司が「表出型」タイプの場合。このタイプは“直感と行動の人”ですから、報告は1時間以内にと心がけてください。上司が不在の場合には携帯に連絡を入れてもいいでしょう。精度よりスピードを重視しますから、報告も口頭でひとこと、がポイントとなります。

用意する解決案は2つでもかまいません。この事例の場合なら、上乗せした利益率が相手に露見してしまう(1)をはずした(2)と(3)の2つに絞ってよいでしょう。このタイプの上司のレスポンスは早く、その場で決めてくれるはずです。ただし、「さっきは(2)にしろと指示したけど、やっぱり(3)にして」と前言をひるがえしたり、咄嗟のひらめきで3案以外の別案に変更することもあるので、覚悟しておきましょう。

次の「推進型」は、“成果と効率”を重視するタイプですから、部下にとっては手ごわい存在。そこで報告は、事実の説明を中心にすることが基本となります。解決策は3案をきちんと揃え、自分の意見は極力控えて、目的と効果を簡潔に伝えます。そうすれば、ズバッと即決してくれるでしょう。

3つめの「友好型」は、協調と配慮の“いい人”ですから、前の2者ほどのプレッシャーは感じないはずです。おそらく、報告に対して「まいったなー」を連発します。3案を前にしても優柔不断で決めてくれないことが多く、「どうしようか?」と部下の意見を聞きたがります。その場合は、丁寧に「私は(2)の案がいいと思うのですがいかがでしょうか」と相談するように意見を添えて話すのがいいでしょう。すると「君がそう思うならそれでいいよ」と決めてくれます。