マナーが欠けているのは新人より中堅。そんな言葉もよく耳にします。おさらいしましょう、人間関係の潤滑油。

言うまでもなく会社は組織だ。仕事はチームで行うものであり、お互いがどのような動きをしているのか、コミュニケーションを密にし、理解しておかなければならない。そのために必要なのが報告・連絡・相談。略して「ほう・れん・そう」だ。

「とくに直属の上司には報・連・相と、その内容の確認を習慣化しましょう。そうすることでミスやトラブルを少なくすることができますし、上司との信頼関係も築けます」と語るのはマナーコンサルタントの西出ひろ子さん。

ただ、若手にとってはこれがなかなか難しい。まず上司に声をかけるタイミング。忙しそうなとき、パソコンに向かっているときなどに声をかけたら気を悪くされそうだ。

「しかし、それを恐れて報・連・相を怠るほうがよくないことなのです。職場の雰囲気や上司の人柄によっても異なりますが、基本的には与えられた仕事にひと区切りがついた時点で上司のデスクの脇まで足を運び『今、お時間よろしいでしょうか?』と話しかけるようにしましょう。本当に忙しくて話を聞く時間がなければ『30分後に来て』といった反応があるはず。それに従えばいいのです」

新入社員は職場の空気が読めなくて当たり前。少々の間の悪さは大目に見てもらえるし、問題があれば先輩がアドバイスしてくれるもの。チャレンジを繰り返して、ちょうどよいタイミングを覚えていけばいいのだ。

上司への話し方だが、最初に結論を述べるようにするクセをつけること。「○○の資料ができました」とか「A社の〇〇さんとアポイントが取れました」という具合だ。

5W3Hで事実を確認

「これなら話は短時間で済み、上司も対応しやすくなります。次いで事実を具体的に述べます。5W3Hを含めて時間、数量などの数字、固有名詞は正確に伝えるようにしましょう。『多く』とか『遅くに』といった曖昧な表現や自分の感想などはできるだけ避けるべきです」