ある日突然、妻から離婚を突きつけられたAさんは、40過ぎの突然の“男おひとりさま”。家事も家計も妻任せで、10年前から妻は離婚後を想定して老後資金をちゃっかり隠し口座にたんまり貯め込んでいた……。

「お金を全部ガラス張りにしたのが敗因。離婚のリスクがあるなら男性もへそくりしておかないと」

ファイナンシャル・プランナー(以下、FP)の飯田道子氏はそう指摘する。何とも世知辛い話だ。誰もが“おひとりさま予備軍”と肝に銘じ、自己防衛に励むほかない。

老後の生活費は「持ち家という前提でも月に20万円前後ないと厳しい。一人だと友達と食事したり飲みに行ったりと付き合いを保つ必要があるので、実は生活費が高くつきやすい」(飯田氏)。

同じくFPの山田静江氏は「料理ができない分、食費が高くなる。家事を外注すれば、お金もかかる」と言う。

とすれば、後述するように月15万円の年金でも足りない。FPの汀光一氏によると、「老後の生活費月20万円が年金でまかなえれば問題ありませんが、年金が10万円なら半分不足です。国民年金なら6万円ちょっとですから、まるで足りません。だから貯金を少しずつ取り崩していく必要があるんです」。

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では、どのくらい貯めておけば老後は安心なのか。

「家事も自分でやるとしたら、持ち家前提で、50歳までに保険解約返戻金や株など全部含めて最低1000万円は貯めておきたい。50歳から先の15年間は給料が減る可能性もあり、あてにしないほうがいい」(山田氏)