結局、最低限の目安は年金月15万円、蓄え1000万円、家の心配なしということになる。自営業など国民年金組はもっと蓄えが必要だ。飯田氏は「40歳から毎月8万円貯めれば10年で1000万円。ボーナスの半分を貯金する方法でもいい。独身なら難しくない」と指南する。

老後の家も重大な問題。家を買う買わないの決断は40歳が目安だ。最近は高齢者向けの賃貸物件が増えているが、「高齢者に優しい物件だけでなく、悪条件で入居率が低いから高齢者も歓迎といった物件もいっしょくたになっている。その点は慎重に」と飯田氏は指摘する。

持ち家派なら、たとえばフラット20という住宅ローンで「2000万円を借り入れて月10万円ほどの返済。40歳から20年間で定年退職前に完済できる」(飯田氏)。

20年も余裕がないなら、「ローンを組まずに貯金しておいて老後に現金でドンと買う」(汀氏)方法もある。持ち家なら、いざとなれば他人に貸して自分は安いマンションに住めば家賃収入も期待できる。その点も踏まえ、人気のある2LDKなどファミリー向けがお勧めだ。

しかも「賃貸よりも、ファミリータイプのある分譲マンションのほうがコミュニティがしっかりしているし、一人暮らしでも愛想良くしていれば何かとご近所さんに気にかけてもらえる」(飯田氏)利点がある。ゴミ出しなどのルールも厳しいから生活がダレにくい。生活力がアップすれば、男としての魅力も高まり、余計に声をかけられる。これ以上の好循環はない。

(撮影=宇佐見利明)