孤独死をする人は冷蔵庫の中にも期限切れ食品が多数

「死後1カ月で発見された中年男性の状態はひどいものです。肌が変色し、部屋に死臭が充満。虫が這い回るわ、ハエが飛ぶわ……」

そう語るのは、日本初の遺品整理専門会社キーパーズの吉田太一社長。悲しいかな、おひとりさま男の孤独死の現実だ。男のおひとりさまは、とかく健康に無関心になりやすい。しかも病院嫌いときている。その割にストレスに弱い。

「孤独死は誰にでもありうる話。現実から目をそらさず、いまから危機管理を真剣に考えるべき」と吉田氏。

孤独死する人は、他人の孤独死にも無関心だと吉田氏は言う。「冷蔵庫で食品を“孤独死”させていませんか。たとえば“○月×日に死ぬ”と消費期限が書いてあるのに、冷蔵庫という密室に放り込んだまま声もかけてやらない。ある日、ドアを開けたら変わり果てた姿になっている」。

身近な“声かけ”に無頓着な人は自分も声をかけられないような生き方をしている証拠だという。

万一の場合に備えて「緊急連絡ノート」をつくっておこう

病気や怪我での入院に対して、どんな備えができるのか。FPの汀光一氏は「まず医療保険は会社員なら日額5000円から7000円、健康保険の傷病手当金が出ない自営業の方なら1万円から1万5000円程度が目安。自営業の方は入院などで就業不能になったときに一定期間、所得補償がある所得補償保険なども考慮しておきたい。会社員でも傷病手当金が報酬の6割程度なので、不足分を所得補償保険で確保するのもいいでしょう。また保険だけに頼らず、貯金も必要です」。

つまり、保険と現金の両輪で考えるということだ。保険は条件に合わなければ一円も出ない。貯金なら自分がほしいときに必ず下ろすことができる。ただし、再入院を繰り返しやすいガンは専用のガン保険のほうが適している。