EV事業の一層の強化は正しい
欧州では排出ガスの超過に対する罰金が19年から跳ね上がる。現在の罰金は1g/kmのCO2超過に対して1台当たり5ユーロ(2g/km超過:20ユーロ)だが、19年以降は1g/km超過ごとに1台当たり95ユーロ(2g/km超過:190ユーロ)となる。21年時点でこの罰金から逃れられるのは、EVに積極的なルノー・日産連合、ハイブリッド車で先行するトヨタ自動車、19年以降は全車種をEVやマイルドハイブリッド車等にすると発表したボルボの3社との試算がある。
中国では各自動車メーカーに一定量のEV販売を義務付ける規制が19年からスタートする。米国のカリフォルニア州等でも本年からEVに対する規制が大幅に強化される。
旧型リーフの収益は十分とは言い難いが、それでも他社に先駆けてEVの量産に成功したことは日産にとって誇るべき実績である。EVの普及にはまだまだ課題が多く、日産も投資回収に手間取るかもしれないが、EV事業の一層の強化は正しい経営戦略と考えられる。
(構成=衣谷 康)