現実的判断ができる自民以外の政治勢力の芽ができる、それだけで大成功だ!

小池さんは劇場型選挙を狙って話題を提供しているが、民進党議員の入党について混乱が目に付いてきた。選挙の前哨戦は始まっており、10月10日が公示である。混乱のまま選挙戦本番に突入すると、さすがにそんな混乱した政党には委ねるわけにはいかないという有権者の判断になり、希望の党への期待は萎んでいくだろう。

二大政党制は一気にはできない。さらに今回の一回の選挙で政権交代を狙うというのも無謀すぎる。

もちろん戦は博打の面があるが、僕は自称インテリの類に入ってしまったのだろう。自分が試みて失敗した反省を基に二大政党制の手順をどうしても慎重に考えてしまう。

55年体制から続いている自民党に対抗できる新しい政治グループを作るには少なくても5年はかかる。大阪ではできつつある。東京ではこれからスタートだ。民進党はチョロネズミ議員とイデオロギー議員を放出して現実判断ができる議員で固め直す。そしてこの3グループが共倒れにならないように足元を固め、時には批判をし合い、切磋琢磨をしながら政党として強固になっていく。そのようにして次の世代において、3つの派閥になるような形で、一つの政治グループにまとまっていく。3派閥間の権力闘争は激烈にやればいい。

一人の看板で、風を吹かすことができるのは一回まで。この選挙が終われば希望の党の実力が現実的に見えてくる。野党では何もできないし、小池さんも都政に力を入れるなら、野党希望の党が高い支持率をキープするのは困難だ。

一回目の風で50席以上確保した日本維新の会の支持もあっという間に下がっていった。そして看板による風だけで当選した議員は、ほとんど使い物にならない。議員の身分を維持したいがために、あっちに行ったりこっちに行ったり。やっぱり小選挙区でも勝てる、そして負けたとしても自民党と十分勝負ができる議員が核になる政党にならなければならない。

そういう意味では、今回の一回限りの選挙で勝負を付けるというよりも、10年後・20年後を見据えて、真の二大政党制のきっかけづくりという意味で、小池さん、前原さん、松井さんには一歩を踏み出して欲しい。そのような意味で3者の棲み分けを提案した。ところが今は、民進党の解体プロセスに入っている。

しかし民進党の解体プロセスというもので大荒れとなっても、目指すところは、僕が提案した3者密約の方向になると思う。東京は希望の党、大阪は維新。そしてチョロネズミ民進議員、イデオロギー的民進党議員には退場願う。これを民進党について前原さん自らが仕切ってやるのか、民進党を解体した上で小池さんの公認権で実行していくのか。前原さんは後者を選んだに過ぎない。小池さんと松井さんの合意は完了した。あとは小池さんがポンコツガラクタ民進党議員を切っていくだけである。(ここまで約4400字、メルマガ本文は約2万5000字)

(略)

※本稿は、公式メールマガジン《橋下徹の「問題解決の授業」》vol.74(10月3日配信)を一部抜粋し簡略にまとめ直したものです。もっと読みたい方は、メールマガジンで。今号は2万5000字超の《【2017年総選挙(2)】政界激震!日本に二大政党制を根付かせる小池・前原・松井「密約」とは?=後編》大特集です!!

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