日本最大のクラウドファンディングサイトを運営するREADYFOR。これまで6700以上のプロジェクトで、29万人から資金調達を行っている。同社を率いるのは、スタンフォード大への留学で起業に目覚めた女性経営者だ。

お金以外の見返りに投資してもらう

【田原】READYFORはクラウドファンディングをされている。クラウドファンディングって何ですか?

【米良】何かやりたいことがあるけど、必要なお金がない人たちがお金を集める仕組みのことです。何かやりたい人はプロジェクトをつくってインターネットで公開。それに賛同した人が1000円とか5000円とか1万円とかの少額で支援します。READYFORでは、これまで約6700件のプロジェクトが成立しました。

【田原】お金はどうやって集めるんですか?

【米良】まずはREADYFORのサイトに申請してもらいます。申請があると、キュレーターという担当者をつけて、お金を集めるページを一緒につくります。お金を集めるので、そのお金がどう使われるのかの説明責任がある。それを審査して、確約が取れたものを掲載していきます。

【田原】逆にお金を出したいという人はどう集めるんですか?

【米良】プロジェクトはツイッターとかフェイスブックなどのSNSを通してインターネットで拡散されることが多いです。ネット上でプロジェクトを見て支援したいと思ったら、振り込みやクレジットカード決済で支援を募る仕組みです。

【田原】サイトの情報だけではよくわからない、もっと説明してほしいとなったらどうするんですか。

【米良】基本的にはネット上の情報で判断いただくことが多いですが、直接質問をメッセージもできます。プロジェクトに関わる人の名前は公開されていますから、その名前をインターネットで検索して、どういうことをやってきた人なのかを調べてもいい。いまは良くも悪くも個人の情報がオープンになっている社会。実際にそうやって調べてから支援を決める方も多いです。

【田原】お金を出したら、配当がついて戻ってきたりするんですか。

【米良】クラウドファンディングには、お金のリターンがある投資型、お金ではない対価が返ってくる購入型、まったく見返りのない寄付型の3つがあります。私たちがやっているのは購入型。だから配当はつきませんが、お金以外の見返りがあります。

【田原】お金以外の見返り?

【米良】体験や手元にモノが届くようなリターンがベースです。たとえば地域でゲストハウスを開業したいというプロジェクトなら、5000円出した人には割引券、1万円の人は1泊無料券、10万円の人はゲストハウスを3日間貸し切る権利といった具合です。株主優待に近いものや、支援者だからできる特別な体験、自分がこのプロジェクトを支えたと感じられる体験を対価として設定することが多いですね。