誰でも、いい間違い、聞き間違い、覚え間違いはある。だが、その間違いに気付きづらい人がいる。塾講師の筆者は「間違いを素直に認められない性格だと、知識の吸収が遅くなり、誤読に気付きづらい」という。そして「間違いを指摘してくれる人が、周囲にいるかどうかが重要」と指摘する。はたして、落ちぶれるリスクがある「裸の王様」度の高い人物とは?
なぜ政治家はいつも「誤読」するのか?
支持率が“危険水域”にまで達している安倍政権。そういえば、安倍晋三首相は2017年の年初からケチがついていた。1月の参議院本会議にて民進党の蓮舫代表の代表質問への答弁の中で「訂正云々(ウンヌン)」を「訂正デンデン」と読み間違えたことは記憶に新しい。「首相が云々(ウンヌン)を伝伝(デンデン)と誤読?」と話題になった。
現政権には、この首相の上をいく人がいる。たとえば麻生太郎副総裁・財務相。「踏襲(トウシュウ)」を「フシュウ」、「未曾有(ミゾウ)」を「ミゾウユウ」、「頻繁(ヒンパン)」を「ハンザツ」などと読んだ“前科”がある。
さらに、「ヤンキー先生」こと義家弘介文部科学副大臣の誤読も相当なレベル。国会で「便宜(ベンギ)」を「ビンセン」、「出自(シュツジ)」を「デジ」と読んだことがある。
権力を持つ人物ほど、誤読を積み重ねる
誤読をしているのは政治家だけではない。
わたしはセミナーで、ある有名企業トップのこんな熱弁を耳にしたことがある。
「いいですか、みなさん! 企業の多くはジュンプウマンポに成長してきたわけではありません!」(順風満帆=ジュンプウマンパン)。
なぜ、このような「権力を持つ人」が誤読を連発するのか。あれこれ考えてみたら閃いた。実は権力を持つ人物であればあるほど、誤読を積み重ねる可能性が高くなるのではないか、と。その理路を簡単に説明しよう。