「誤読」の量は「裸の王様度」に比例する

大人であれ、子どもであれ、自分で誤読を改める手っ取り早い方法は、周囲の人たちが自身の誤読に対して、に「その読み方って○○が正しいんだよ」と指摘してもらうことだ。すこし恥ずかしい思いを抱きつつ、それをきっかけに以後その漢字の読みに気をつけていく……。これを繰り返せば、誤読している漢字の総量を徐々に減らすことができる。

だから、手厳しい見立てをすると、誤読を繰り返す権力者のそばには、誠意を持っていさめてくれる人がいないのだろう。すなわち「裸の王様」と化している可能性が高いのだ。

その人のミスに気づいたけれど、畏れ多くて指摘することができない。あるいは、ミスを指摘すると逆ギレされそうなので気づかぬふりをしている……。周囲がそんなふうに委縮(あるいは無視)してしまうと、当人は誤読に気づかないまま、そのことばを人前で連呼しつづけることになる。そして、相変わらず周囲は「その読み方って違うよな」と内心あきれながらも、沈黙を決め込むのだ。

そう考えてみると、「安倍一強」と言われ、周囲はイエスマンばかりとの声もある首相の「裸の王様」の兆候は年初にすでにはっきりと現れていたのかもしれない。

誰であっても、これまで当たり前のように(口にするにせよしないにせよ)「そう読むのだ」と思い込んできているから、「誤読」は自らそれと気づくことが難しい。それだけに「たかが誤読じゃん」と笑って済ませられる問題ではないことが分かる。

あなたはどの漢字を読み間違えているのだろうか? そして、わたしはどの漢字を読み間違えているのだろう?(おぉ、こわい……)

中学入試問題 漢字の「読み」に挑戦 

さて、わたしは平生、中学受験専門塾で小学生に国語を指導している。以下、10問の読み取り問題はすべて今年度(2017年度)の首都圏の私立中学校入試で出題されたものだ。

▼( )内の漢字の読みをひらがなで答えなさい。
(1)人と意見を(異)にする。【学習院女子中等科(A入試)】
(2)(見目)うるわしい人。【学習院女子中等科(A入試)】
(3)(柔和)な性格。【獨協埼玉中学校(第1回)】
(4)旧友と(杯)をかわす。【獨協埼玉中学校(第1回)】
(5)(鋼)のような肉体を持つ。【東京農業大学第一高等学校中等部(第1回)】
(6)一度でも会えれば(本望)だ。【東京農業大学第一高等学校中等部(第1回)】
(7)医療は(仁術)ともいわれる。【日本大学藤沢中学校(第1回)】
(8)地震により(尊い)命が失われた。【日本大学藤沢中学校(第1回)】
(9)一冊の訳書を(著す)。【広尾学園(第1回)】
(10)(筆舌)につくしがたい。【広尾学園(第1回)】

※解答は本文末に記載。