『道をひらく』松下幸之助著 PHP研究所

父に勧められ、初めて読んだのは中学生のとき。当時、父は私の育った大分県で「ナショナルショップ」を経営していた。

この本は121篇からなる。生き方、仕事への臨み方、商売のあり方、お客様との接し方……。ごくごく当たり前のことが、平易な表現で書かれてある。だが、この当たり前のことを実行できる人は存外少ない。

当社を含め、現在、多くの業界で苦戦が強いられている。現場で働くビジネスマンにとっても、悩みや迷いが増える時期だろう。私は、そんなときに松下幸之助さんの教えを噛みしめる。

大分を離れ、東京の大学に進学する私に、父はこの本を手渡してくれた。今でも枕元に置き、折に触れて読み返す一冊だ。