「医者は世間の高すぎる期待に応えるために無理をし、場合によっては事実を誤魔化しながら治療行為に当たっている。今の日本の医療は、医療者側のそうした欺瞞と、『100%の安心・安全』というありえない物語を求める世間とがつくりあげた、共同幻想のうえに成り立っている」
こう指摘するのは医師で作家の久坂部羊さんです。患者は医者に対して「必ず病名を見つけてもらえるし、病名がわかったら確実に治してもらえる」と過大な期待を抱きがち。すると医者の側も「そこまでは無理です」とは言えずに、場合によっては手探りの状態で治療に挑む。その結果、「話が違う!」とクレームが発生し、医療不信が拡大する。
この構造は誰にとっても得にならない、不幸な仕組みです。進歩したといっても医療には限界があり、そのことをまずは医療者側が世間に分かりやすく伝える努力をしなければなりません。そして、患者側も医者に100%の期待をかけるのではなく、その期待値を75%くらいに引き下げることで「等身大の医療を受けられる」と久坂部さんは提唱します。
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