「周りの上司や同僚が、汗でシャツがベタベタだったらどう思うか?」というアンケートに対し、「ビジネス以前に生理的に受け付けない」「どんなに仕事ができても心から尊敬できない」という回答が上位に並んだ(シービック調べ。女性回答者分のみを集計)。問題は汗だけではなく、汗が原因の「臭い」にもあった。

なぜ「男の汗の臭い」は問題視されるのか

夫のスーツの汗臭さに、日々憂鬱になるという妻の話を聞く。また、オフィスでは「管理職の人たちが使った後の会議室は嫌な臭いがこもり、しばらくドアを開けておかないと来客を通すのに躊躇する」という女性スタッフの声もある。発生源である男性は全く気付いていないようだ。

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他人の臭いが気になる人の割合(ピップ調べ、20~49歳男女10,000人が対象)。女性の方が男性よりも臭いが気になる人が多い。男性の臭いに対して女性が厳しくなる要因の1つと考えられる。

汗をかくのは女性も同じ。では、なぜこれほどまでに「男性の汗の臭い」が問題視されるのか。女性は皮下脂肪が多く、断熱材の役割を果たし、気温が上がっても体温がすぐには上昇しないため、汗をかきづらい。対して男性は、皮下脂肪が少ない分、気温が上がるとすぐに汗をかきやすいという違いがある。さらに、男性の汗の方が皮脂を多く含み、さらに年齢が上がるにつれて、その量が増える。それが酸化したり、分解されたりすると嫌な臭いに変わる。

また、年齢に関係なく、疲れていると血中のアンモニア濃度が高くなり、臭いがきつくなる。しかし「自分が臭くないか」と気にしすぎると、余計に発汗してしまうという「ストレス汗」もある。

これから寒くなるといっても油断はできない。肌を流れるさらっとした夏の汗に比べて、じわっとにじむ冬の汗。秋冬は防寒対策のため、発熱性の下着や通気性の低い衣類を着こみがち。気温の低い外にいる間は問題ないが、暖房が効いた室内や電車の中に入ると、途端に汗がじっとりという人も多いだろう。かいた汗は重ね着しているため蒸発しにくく、雑菌が増えやすい環境にあり、モワっとした嫌な臭いがあがってくる。「汗の臭い問題」は一年中つきまとう。