臭い対策は社会人の新マナー
嗅ぐ側の「防ぐ」努力に任せるだけではなく、自らを顧みる必要もある。臭いを極力発生させないようにするにはどうしたらよいのか。冒頭の汗に関するシビアなアンケートを実施したシービック U&I マーケティング本部マーケティング部の西村裕美子さんに話を聞いた。
「男性向け制汗剤マーケットは、数年前から拡大の一途をたどっていますが、ここ数年で『臭いを香りでごまかすもの』から『汗と臭いを長時間抑えるもの』へとニーズがシフトしています。弊社の制汗デオドラント剤『男デオナチュレ』シリーズの使用者は、20~40代を中心としたビジネスマン。学生時代は、部活や体育の後、スプレータイプの制汗剤のひんやり感や香りを楽しんでいた人も、臭いで人に不快な思いをさせないという職場のマナーとして、防臭を新しい習慣にする人が増えています」(西村さん)
汗には、体全体に分布するエクリン腺から出る無色無臭の汗と、ワキの下など特定の部分にあるアポクリン線から出る汗の2種類がある。特にアポクリン線から出る汗が雑菌によって分解されることにより臭いを発するので、ワキの下の汗をコントロールするだけで、臭いはずいぶん軽減される。
しかし、汗は体温調節などの大切な機能。「汗をとめてしまっては、体に悪いのでは?」という疑問に対しては、「全身の汗を止めるわけではなく、ワキで止めても体のほかの部位から発汗し、入浴時も汗は出るので問題ありません。また、周囲に臭いがしていないか気になりすぎると、それがストレスとなり余計に汗をかくこともあるので、適度なコントロールが必要です」(西村さん)