独自の和製英語「シャカク」の意義

<strong>坂根正弘</strong>●さかね・まさひろ1941年生まれ。63年大阪市立大学工学部卒業、小松製作所(現コマツ)入社。81年小松ドレッサー(現コマツアメリカ)に出向、85年経営企画室主幹、89年取締役、90年米国法人社長、94年常務、97年専務、99年副社長、2001年社長。07年より現職。日本経団連副会長、野村ホールディングス社外取締役も務める。
コマツ会長 坂根正弘●さかね・まさひろ1941年生まれ。63年大阪市立大学工学部卒業、小松製作所(現コマツ)入社。81年小松ドレッサー(現コマツアメリカ)に出向、85年経営企画室主幹、89年取締役、90年米国法人社長、94年常務、97年専務、99年副社長、2001年社長。07年より現職。日本経団連副会長、野村ホールディングス社外取締役も務める。

米国のコマツの販売代理店の間に「SHAKAKU」という言葉が残っている。30年近く前、サンフランシスコで考え出した和製英語だ。漢字で書けば「車格」。独自の計算式を使って、ブルドーザーを馬力や重量、押し出せる土の量などから総合的に数値化し、つくり出した「格付け」だ。いまでは、新製品の企画開発に「車格」の考え方が浸透し、他社製品を上回る性能を確保することが、当然となっている。

1981年3月、小松アメリカのサービス部長に赴任した。全米の販売拠点として70年、シスコに設立された子会社だ。当初は順調に販売台数を伸ばしたが、80年代に入って米国経済が停滞し、業績は落ち込んでいた。そのテコ入れが最大の任務。満40歳で初の海外勤務は、心が弾むゆとりもなく、始まった。