まいど、「相場の福の神」ことSBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之(ふじもと のぶゆき)です。藤本は、現在ほぼ1日に1社のペースで、上場企業の経営者やIR(投資家向け広報)の担当者との個別面談を行っています。延べ年間200社以上と個別面談を行っていると、業績が成長し、安定的に利益を出し、株価が堅調な企業には、様々な要因があることが判ります。その中でも重要な要因に「人材活用術」があります。企業は、そこで働く経営者・役員・従業員が、それぞれの責務を果たすことによって成り立っています。いかに優秀な経営者であったとしても、一人では会社を動かすことできません。そこに集う人材によって、会社は大きく成長していくからです。この連載では、藤本が会った様々な成長企業の経営者から、その企業の概要や今後について聞き、人材活用術について語っていただいた内容をご紹介いたします。
第2回は、建設業界向け人材関連企業の夢真ホールディングス (2362 東証1部)です。
建設業界向けの人材派遣のニッチトップ企業
夢真ホールディングスは東京都千代田区丸の内に本社があります。建設業界向けに現場の施工管理ができる技術者を派遣している企業です。1980年に建築設計事務所としてスタートしており、2003年に東証ジャスダックに上場しています。佐藤大央・夢真HD社長に人材活用術を聞いた。
――ビジネスの概要をご説明してください。
当社は、1980年に建築設計事務所としてスタートしています。日本で初めて施工図を海外で作図する仕組みを構築したり、施工管理や作図を行う人材のアウトソーシングに20年以上も前から取り組んだりと、日本の建設業に新しい風を吹き込んでまいりました。現場の施工管理ができる技術者の高齢化により人材不足が深刻化しています。特に、次代の建設業界を牽引していく若い人材が育っていないのです。当社では、建設業界が未経験の若い人材を採用し、研修し鍛え上げて、現場の施工管理ができる技術者として派遣しています。
――会社の特徴、強みは何ですか
若い人材を数多く採用できる採用力と、その人材を教育する人材研修に長けていることです。
――今後の戦略を教えてください。
建設業各社は生産性の向上、コスト競争力の強化、受注力の向上および管理業務の効率化などを図るため、今後ITを積極的に活用していくことが必要不可欠な状況となっております。このことから、当社グループは、このような新たな需要を取り込み、建設業界IT化を牽引していく企業となろうとしています。このため、約20年前より建設業各社にITサービスを提供してきた株式会社ギャラクシーの株式を取得しました。
当社子会社の夢エデュケーションでは、フィンテックや「Internet of Things」などに代表される先端的なIT知識を有したエンジニアの育成を行っていく予定ですが、建設業界に特化したITエンジニアの育成事業もあわせていってまいります。 具体的には、工事現場のIT化に資する技術を身に付けたエンジニアの育成および建設会社の 施工管理者や技能者などに対し、様々なITサービスの有効な活用方法などの研修を2016年9月1日より行う予定です。