はじめまして、「相場の福の神」ことSBI証券シニアマーケットアナリストの藤本誠之(ふじもと・のぶゆき)です。藤本は、現在ほぼ1日に1社のペースで、上場企業の経営者やIR(投資家向け広報)の担当者との個別面談を行っています。延べ年間200社以上と個別面談を行っていると、業績が成長し、安定的に利益を出し、株価が堅調な企業には、さまざまな要因があることが判ります。その中でも重要な要因に「人材活用術」があります。企業は、そこで働く経営者・役員・従業員が、それぞれの責務を果たすことによって成り立っています。いかに優秀な経営者であったとしても、1人では会社を動かすことできません。そこに集う人材によって、会社は大きく成長していくからです。この連載では、藤本が会ったさまざまな成長企業の経営者から、その企業の概要や今後について、さらに人材活用術について語っていただいた内容をご紹介いたします。

第1回は、ソフトウエアのテスト・品質保証を行っているSHIFT(3697 東証マザーズ 投資金額約10万円)です。

ソフトウエアのテスト・品質保証のニッチトップ企業

SHIFTは東京都港区麻布台に本社があります。2005年に創業し、2014年に東証マザーズに上場しています。丹下大・SHIFT社長に人材活用術を聞きました。

 

――ビジネスの概要をご説明してください。

さまざまなソフトウエアのテストを行い、品質保証を行っています。プログラムミスをなくす為のコンサルティングや研修なども行っています。日本国内における、IT産業の全体市場規模が約12兆円。そのうちの3~4割を、テスト業務に割いていると言われています。

つまり、ソフトウエアテストマーケットには約4兆円の潜在需要があるのです。その中でアウトソーシングしているのは約400億円と、約1%しかありません。非常に将来性の大きい市場があることになります。ゲーム関連のテストの専業会社で上場企業はありますが、当社のように、金融やECやスマホなどさまざまなソフトウエアのテスト専業の会社はありません。確かに現時点ではソフトウエアのテストはニッチな業界ですが、当社はオンリーワンの企業です。