勤勉で几帳面な性格の日本人が向いている仕事

――SHIFTの特徴、強みは何ですか

優秀な技術者を数多く保有していることだと思います。優秀な人材に、当社の手法、ノウハウを教えることによって、キチンとした、しかもコストコントロールが可能なテストが可能になります。だからこそ、ソフトウエアの品質保証を行うことが出来るのです。

――創業のきっかけは?

私は同志社大学工学部機械工学科卒業後、大企業をすべて不合格となって、フリーターになりました。その後、京都大学大学院に入り、工学研究科機械物理工学専攻を修了しました。製造業向けコンサルティング会社の株式会社インクスに入社。たった3人のコンサルティング部門を、5年で50億円、140人のコンサルティング部隊に仕立て上げました。その後、独立して、「SHIFT」を作りました。さまざまなビジネスを行いましたが、すべて撤退し、ある大手EC運営企業のシステムテストのコンサルティングを請け負うことになりました。その会社や、テスト技術者を派遣している会社に、ソフトウエアテストについてヒアリングしたのですが、彼らが今まで場当たり的にテストしているだけで、全くテストのノウハウがないことが分かったのです。だから、製造業向けにコンサルティングで培った日本のモノづくりのノウハウを活かして、システムウエアテストの手法をコンサルティングしたのがきっかけです。テストのプロセス自体をしっかり仕組み化・IT化によって効率化し、メーカー、ソフトウエア企業、ネット企業などあらゆる業界に広く提供することにしたのが、今のメインビジネスとなりました。

――今後の戦略を教えてください。

まだソフトウエアのテスト市場で、アウトソースされているのは、たった1%なので、仕事は無限にある状況です。優秀な人材を数多く採用して、売上高を増加させる計画です。また、日本だけではなく、世界のソフトウエアのテスト市場を獲得したいと思います。ソフトウエアを思いつき、設計するのはMicrosoft、Apple、Google、Facebookなどを産み出した米国、実際にプログラミングするのは、インドや中国になると思いますが、テスト・品質保証を行うのは、勤勉で几帳面な性格の日本が向いていると思っています。ソフトウエアのテスト・品質保証では、日本が世界でもっとも進んだ国にしたいですね。