【田原】ほかに新しい展開は何か考えていらっしゃいますか。

【山下】いまソフトバンクさんとスマートハウス向けアプリの研究開発をしています。リノベーションは古い状態ものをアップデートするわけですが、その後も人生は続くので、またアップデートが必要になるかもしれません。そのときにもう一度リノベーションしていただいてもいいのですが、IoTを活用する方法もある。そこをいま研究しています。

【田原】ちょっと分からない。IoTでどうなるのですか。

【山下】たとえば築30年だと、リノベーションしてもマンションの入り口にオートロックがないところがほとんどです。そこでスマートキーやスマートカメラを取り付けてセキュリティを高めることも可能です。これは一例で、IoTで家の中をコントロールできる仕組みをほかにも考えています。

【田原】上場は考えていらっしゃいますか。

【山下】はい。時期は未定ですが、準備はしています。近いうちにできればいいですね。

【田原】分かりました。頑張ってください。

山下さんから田原さんへの質問

Q.日本の不動産業界、どう思いますか?

【田原】僕は住むところにあまりこだわりません。ここじゃなきやダメという場所はないので、若いときから計9回、引っ越ししています。その経験を通して思うのは、日本の住まいは消費者に不利だということ。引っ越しは、賃貸でもお金がかかるし、買うとなればローンまで背負う必要があります。ところが、山下さんが指摘したように、不動産屋さんは情報を利用して儲けようとしている節があって、どうも信用できない。住まいはお金がかかるのに、そこらの安い買い物よりずっと騙されやすい。これはずっと問題だと感じてきました。

山下さんは、情報をすべてオープンにして業界を変えるという。これはとてもいい試みです。日本には、他にも閉鎖的な業界がいろいろあります。若い人に、古い業界にぜひ風穴を開けてほしいですね。

 

田原総一朗の遺言:若さで古い業界に風穴をあけろ!

編集部より:
次回「田原総一朗・次代への遺言」では、鹿児島県長島町副町長・井上貴至氏のインタビューを掲載します。一足先に読みたい方は、6月27日発売の『PRESIDENT 7.18号』をごらんください。PRESIDENTは全国の書店、コンビニなどで購入できます。
 
(村上 敬=構成 宇佐美雅浩=撮影)
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