【田原】どんどん成長していますが、その要因は何だとご自分で分析されていますか。
【山下】先ほど言ったように不動産業をしていないことが大きいです。僕たちが不動産をやると、ほかの不動産会社からはライバルになるので、古い物件の情報が入らなくなります。不動産業をやっていないことで、どの会社ともタッグを組めるのが強みです。
【田原】お客さんから見て、御社の魅力はどこですか。
【山下】シンプルなセミオーダー制が受けているのかもしれません。すべて自由なオーダーメードだと、決めるお客様も大変なので、弊社ではある程度の型を決めて、ヒアリングしながら選んでいくプランをご用意しています。セミオーダーなら、お客様はコスト的なメリットもあります。それと、セットでローンのご提案ができることも大きい。いままでもリフォームなら専用ローンがありました。ただ、リフォームローンは少額で金利の設定も高めなので、リノベーションでは使いづらい。そこで金融機関と提携して、住宅ローンと合わせて長期かつ低金利でローンを組めるようにしてもらいました。
【田原】どうしていままでリノベーションのローンがなかったんだろう。
【山下】建物は何年経つといくらというように価値が分かりやすいのですが、内装は評価しにくく、金融機関は内装の価値をほとんど認めない傾向にありました。でも、リノベーションして部屋を新しくすると高く売れます。そのことをお話しして、提携ローンをつくってもらいました。いま38行の金融機関と提携させていただいています。
【田原】なるほど。お客さんから支持されるために、ほかに意識していることはありますか。
【山下】そうですね。これまで不動産業界は、情報の非対称性で儲けていたところがありました。つまり自分たちだけ都合のいい情報を持っていて、それを知らないお客様を相手に商売をしてきたわけです。昔はそれでやっていけたかもしれませんが、いまはインターネットの時代で、むしろお客様のほうが情報を持っているケースもあります。そういう時代に情報の非対称性を利用して儲けようとするのは古いし、そもそもフェアではありません。僕たちはそうした慣習を打ち破って、お客様の側にたってやっていくつもりです。それが信用を得ることにつながると思っています。