前例のない試みにあらゆる条件吟味

1998年秋、カナダ北の西海岸、米アラスカ州との国境に近いプリンスルパート港から、日本へ向けてチャーター船を送り出す。船には、カナダ材の丸太のほか、アラスカから筏にして船で引っ張ってきた米材も、積んでいた。

住友林業社長 市川 晃

船を満載にするには、普通は木材集積地の港を順に回り、積んでいく。でも、日時もコストもかかるし、日本の各港で積み下ろす順にうまく積めない。所長をしていた米シアトル事務所の部下が、船がプリンスルパートに入港する前に積み荷を集めておき、1カ所でやればどうか、と提案した。