機内での過ごし方でわかること

お客様の機内での過ごし方も、クラスによって異なります。エコノミークラスでは手持ちぶさたで機内を歩き回っている人や、映画のチャンネルをコロコロ変えて観ていたり、ゲームを楽しんでいる方が目立ちます。

ビジネスクラスでは、大勢の人がパソコンを使ってお仕事をされています。出張時は、行きの便では現地に着いてから必要な書類や資料などの最後の仕上げを機内で行ったり、帰りの便では報告書をまとめるという人も多いようです。なかには一睡もなさらずに作業をしている方もいらっしゃいます。

こうした様子を見るにつけ、常々、一体いつお休みになっているのだろう? と思っていました。

今の私には、寝る間を惜しんでパソコンで仕事をしないと、という気持ちが少しだけわかるようになり、その大変さも少し身近に感じます。

『ファーストクラスに乗る人が大切にする51の習慣』(毛利仁美著・プレジデント社)

一方で、ファーストクラスではパソコンで仕事をしている方はいません。

それもそのはずで、ファーストクラスに乗っているのは、現役のビジネスパーソンだとしても会長、社長、役員クラスの方。地位のある方が仕事の資料を作るということはないということでしょう。

では何をして過ごしているのかといえば読書です。

「飛行機では読みたかった小説を読むのが楽しみでね」とおっしゃる方や、何冊もお持ち込みになる方も珍しくありませんでした。

流行りの実用書よりは、むしろ古典、歴史小説や推理小説、またゴルフや将棋など、趣味に関する本を読んでいる方が多かったように記憶しています。