期初のヨミは目標以下でもOK

高橋さんのグループの場合、4チームのメンバーが期初(四半期)に、自分の担当する顧客(1人当たり50~100社担当)の新規出店計画に絡んだ採用のスケジュールなどに基づき、いつごろ、どれだけの受注をするかという「ヨミ」を出す。同時に、そのヨミを達成するための戦略・戦術を示し、チームで1社ずつの方針を決める。その後は、毎週1~2回(30分~1時間)開かれるヨミ会(チーム会)で進捗状況を確認、ヨミを共有する。メンバーはそのときにチーフや同僚らからアドバイスをもらい、営業活動に活かす。

一方、チーム会とは別にマネジャーの高橋さんとチーフによるヨミ会(チーフ会)が、毎週2回(1時間程度)開かれる。4人のチーフがチーム会で話し合った内容を持ち寄り、チームの状況や数字、顧客の最新トピックスなどを報告、ヨミを共有する。このチーム会とチーフ会の繰り返しによって、メンバー各自のヨミ、チームのヨミ、グループのヨミが実現されていく。

もちろん、リクルートジョブズにも売り上げ目標はある。期初に会社の全社目標に基づいて、個々人に割り当てられる。「その目標金額と各人が出すヨミには、当然ながら差が出ます。たいていヨミが下回るのですが、それでも構いません」(高橋さん)。なぜならヨミ会を通じてヨミの精度が高まっていき、新たなヨミをつくり(受注見込み金額をアップさせ)、その繰り返しによって最終的に目標を達成するからだ。

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自主性重視で目標必達「ヨミ会」のフォローアップ

当然、ヨミが外れることもある。その開きが大きければ、それはマーケットを掴んでいない、顧客をきちんと理解できていない証しであり、高橋さんを筆頭にチーフ、メンバーは必死にヨミの精度を上げる努力を続ける。

と、ここまで聞くと、営業担当者は毎週毎週ヨミ会で数字をチェックされ、上から怒鳴られ、ハッパをかけられる厳しい会議を想像するかもしれない。しかし、実際に見せてもらったチーフ会は、みな真剣な表情ではあるものの、笑顔ものぞく和やかな雰囲気だった。

「私はグループのヨミの精度をより高くする責任がありますが、あまり数字を問いただすことはありません。『ちょっとどうなってるのよ!』みたいなハッパをかけるようなことはないです」と高橋さんは笑いながら話す。