分析的な思考回路を持つ西洋人に対して、われわれ東洋人は包括的な思考を得意とする。

その「違い」を科学的手法によって解析したのが本書。

著者によれば、このような西洋人と東洋人との思考パターンの違いは、先天的なものではなく、生まれ育った文化によるものだ。たとえばアジア系アメリカ人は代を経るにしたがって「分析的」になっていくという。

大切なのは、「西洋対東洋」「分析対包括」と対立的にとらえるのではなく、お互いに多様性を認知し価値観を認め合うことだ。

そんな思いを込めて、私は最近、日本法人の社員に本書を勧める一方、ドイツ本社から赴任してくる役員にも本書の英語版を贈るようにしている。