まだ課長だった40歳前後に出合った本です。
特に前半部分、シベリア抑留の描写には、鬼気迫るものがあります。
当時は会社の状態も自分自身も本当につらい時期でした。今の自分はシベリア抑留に比べればはるかにまし、と自らを鼓舞したものです。
主人公は吹雪の中、強制労働に従事させられ、仲間はばたばたと倒れていく――。生き延びて帰国してからは、ビジネスの「戦争」に挑んでいきます。
最近「厳しさ」というものが世間に欠けているように思います。厳しさに耐えればいいことがあると、社員も知ってほしい。主人公の、筋の通った生き方が好きです。
著者の作品をいろいろ読んだ中で、今でもこの作品がベストだと思います。