コンビニエンス・ストアに、よく買い物に行く。店内放送で、その時々の「ヒット曲」が流れていることがある。

昨年は、ずいぶん長い間、ディズニー映画『アナと雪の女王』の、『レット・イット・ゴー』が、ヒット・チャートの上位にあった。松たか子さん、そして、May J.さんによるこの歌が、かなり長期にわたって、ヒットを続けていたのである。

東京ディズニーランドで3月まで開催されていた『アナと雪の女王』イベントも大盛況だった。(写真=時事通信フォト)

『アナと雪の女王』の人気は、世代を超えていた。年末、東京駅の丸の内側の通りにこの映画のキャラクターの像が置かれるイベントがあったが、さまざまな年齢の方々が集まり、写真を撮ろうと列をつくっていた。

ヒットというのは、ふしぎなものだと思う。どんなに仕掛けようと思っても、なかなかうまくいかない。当たるときには、勝手にどーんといく。ヒットの法則のようなものはそう簡単には見えないが(もしわかったら、誰でもヒットを飛ばすことができるだろう!)考えるきっかけのようなものはあるように思う。

ヒットの秘密の重要なヒントは、「子ども心」にある。

『アナと雪の女王』は、子どもたちも夢中にした。インターネット上では、「娘が何百回となく『ありのままで』を聴くので、これはもう拷問だ」のような書き込みがあった。お父さんから見た、可愛さゆえのうれしい悲鳴だろう。

子どもたちは、とても正直だ。いくら大人が理屈をつけて、「これはいいよ」と勧めても、自分たちが気にくわないものには見向きもしない。非常に素直に、心の声に従う。