ファンをつかむ、ファミリーの「熱」
このワクワク感は何だろう。夏の高校野球の甲子園が開幕した。ラグビー日本一のヤマハ発動機の清宮克幸監督の長男、早稲田実業(西東京)の清宮幸太郎内野手は8日、初戦の今治西(愛媛)戦に挑む。まだ16歳の1年生スラッガー。騒がれ過ぎの感もあるが、なぜメディアやファンを惹きつけるのか。
「(幸太郎は)幸せ者ですよね」。先日の西東京大会決勝の神宮スタンド。いつもの無邪気な笑顔で喜ぶ幸太郎くんの姿を見て、清宮克幸さんもまた、顔をくしゃくしゃにした。幸太郎くんに限らず、スタンドの別のところにいた清宮夫人、次男の福太郎くんを含め、幸せな家族だなと思ったものだ。
清宮ファミリーの魅力は、やはり「熱」である。まっすぐな姿勢である。清宮さんも、幸太郎くんも、ひとつのことに全力投球する。没頭する。父はラグビー、長男は野球。そのひたむきさが、人々の共感を生むのだろう。
要は、純粋なのである。清宮さんのしつけのよさだろう、幸太郎くんは人の話を素直に聞くことができる。相手をリスペクトする。これって、人の成長には大きい。
素材は文句なし、である。父はラグビーで活躍し、幸太郎くんは184cm、97kgの堂々とした体躯を持つ。選球眼がよく、打席でボールを待つ姿勢も雰囲気を持つが、なんといっても、ボールを遠くに飛ばす力は天性のものでる。あの清原和博さんのPL学園時代の打球をほうふつさせるものがある。