道を聞かれる人は合格ラインに到達
面接は、履歴書に書かれた経歴と本人の言動を照らし合わせて、面接官が事実確認をするための時間だ。言動と過去のエピソードが一致しているということが、初対面の人間から短時間で信用を得るための足がかりになる。
面接官に「デキるな」「それ相応の報酬を支払ってでもわが社に来てもらいたい」と思わせるには、自分の持ち時間に応じた簡潔なアピールをすることが重要だ。それが1分なのか、10分なのか、30分なのかで話す内容はまったく変わってくるうえ、自分が「大したことではない」と思っていた話でも、相手が食いついてきたらその部分にフォーカスして話を膨らませるなど、状況に応じたアレンジも必要になる。これは、営業や商談などにも通じる、初対面トークの鉄則。初歩的なことだが、コミュニケーション能力の高さを印象づけるためにも、入室時の挨拶は明るく、表情豊かに。身振り・手振りをまじえて話すことも忘れてはいけない。
挨拶やジェスチャーは付け焼き刃でできても、表情は難しい。日頃表情を硬くしていて、顔の筋肉が固まっていると、口角を上げようと思ってもうまくできないのだ。といっても、理系の技術職の方などは、「接客業ではないから関係ない」と感じるかもしれない。しかし、コミュニケーションスキルはすべての職種に共通する「ポータブルスキル」と呼ばれるもの。どんな人でも、一緒に働くなら意思の疎通がとりやすい相手がいいと感じるはずだ。もちろん、実務に関する「テクニカルスキル」がともなわなければ採用はありえないが、年収を10倍にしたいと考えているなら、コミュニケーションスキルも必須条件のひとつ。知らない人からよく道を聞かれるなら、表情の豊かさは合格ライン。一度も聞かれたことのない人は、眉間にしわが寄っていないか鏡で確認してもらいたい。