その疲れは本当に体の疲れなのか?

徹夜は言うにおよばず、うっかり深酒や夜更かしをした翌日には、疲労が重くのしかかってきて仕事のパフォーマンスもガタ落ち。「若い頃はこんなことなかったのに……」とお嘆きの40代、50代の読者も多いはず。

裵 英洙氏

「疲れ知らずは若さの特権。残念ながら加齢とともに疲れやすく、疲労回復しにくくなるのは、生物学的宿命です」と話すのは、医師でMBAのコンサルタント・裵英洙(はい・えいしゅ)氏だ。

「危ないのは若い頃の自分を引きずって無理してしまうことですが、疲れを上手にマネジメントすれば、年齢を重ねても仕事のパフォーマンスを落とさずに、ビジネスの第一線で活躍し続けることができます」

疲れをマネジメントするためには、まずターゲットである「疲れ」の正体を知らなければならない。

「体も心も頭も、使ったら使った分だけ疲れます。疲れには『体の疲れ(肉体的疲労)』『心の疲れ(精神的疲労)』『頭の疲れ(神経的疲労)』の3つがあり、どこに疲労の原因(問題)があるかによって解決策も異なります。マネジメントの大原則は、事実ベースで問題を洗い出すこと。それができれば、問題は解決したも同然です」

ところが多くの人は、「何となくだるいから、栄養ドリンクを飲む」「テレビや同僚が『効く』と言っている健康法だから、とりあえずやってみる」などという「おまじないレベル」(裵氏)に留まっているのが現状だ。