国会の審議の行方はともかく、国際競争力の問題からいっても法人税の引き下げは待ったなしである。いわゆる実効税率が40%から35%へ引き下げられる方向だが、本来なら、もっと早期に下げるべきだったろう。

ところで、法人税率の引き下げが減益の要因になるといったら、違和感を覚えるだろうか。そのカラクリを紐解くためには、まず「繰延税金資産」について知る必要がある。

たとえば、A社がB社に対して100億円の貸付金があったものの、業績不振で回収の見込みがなくなったとしよう。A社は貸借対照表(B/S)で資産の欄の貸付金100億円のマイナス項目である「貸倒引当金」を100億円計上する。また、損益計算書(P/L)には営業外費用ないしは特別損失として、同じ100億円だけ貸倒引当金繰入を計上する。その結果、会社の税引き前利益は100億円減るわけだ。

(構成=高橋晴美 図版作成=ライヴ・アート)