児童養護施設などにランドセルや文房具を匿名で贈る“伊達直人現象”が全国に広がったのは記憶に新しいところである。

伊達直人は故・梶原一騎氏原作の漫画「タイガーマスク」の主人公の名前。孤児院出身の伊達直人がプロレスで得た収入の一部を孤児院に寄附するようになったストーリーから、これを名乗る寄附が行われたようだ。

文房具、商品券、野菜、現金など贈り物の内容がバラエティーに富むようになったうえ、「矢吹丈」「鉄人28号」「肝っ玉かあさん」といった贈り主も続々と現れ、世の耳目を引くようになった。また、「モノではなく現金のほうがいい」「美談に乗っているだけでは?」などと賛否両論が沸き起こったが、児童養護施設の運営が厳しい状況にあることを多くの人が知るきっかけになった点は評価されてもいいだろう。

(構成=高橋晴美 図版作成=ライヴ・アート)