今いるポジションによって、読むべき本は変わってくる。次なるステージに向かう階段を順調に上るためにも、現在の足場をしっかり固めるための指南書を手に取りたいものだ。
キャリアコンサルタント 田島弓子氏

自らを過小評価してしまうために、せっかくの有能な人材が出世しない。そんな事例が男性より女性に多い、という事実を私は本で知りました。

アメリカ人発達心理学者の渾身の科学ノンフィクション『なぜ女は昇進を拒むのか』がそれです。生物学的な違い、脳のつくりの違い、育てられ方の違い。男女の性差が、仕事にいかに反映されるかを調べた本書のなかで「インポスター症候群」になる女性が多い、という分析結果がありました。

ある女性社員は努力して実績をあげたのに、それを自分の功績によるものだと思えない。曰く、私はラッキーだった。周囲のスタッフのおかげ。景気が追い風になった。成功の全要因をそうやって自分以外の「外部」に求める。結果的に昇進しても居心地の悪さを感じてしまう。インポスター(詐欺師、ペテン師の意)という名称が付けられているのはそのためです。この症候群になる人は、逆に何か失敗したときは、責任が自分にあると考えるそうです。